簡単なあらすじ
1) マリアT(中谷美紀)は警視総監の声色を利用し、法門寺沙羅駆(織田裕二)の射殺命令を出す。機動隊員に囲まれるも、賢正(ディーン・フジオカ)が囮となって、沙羅駆は逃げ出す。ところが、スナイパーに狙われ、マリアTの命令に踊らされた警察は、和藤奏子(土屋太鳳)を撃ってしまう。
2) 奏子を撃たれた沙羅駆は怒りを覚える。マリアTが電力供給を制限したため、医療機関はパニックに陥り、奏子の治療はなかなか受けられない。法医学教室で応急処置を受ける中、沙羅駆はマリアTが「私を怒らせ、悪の道を進ませようとしている」と気づく。
3) 沙羅駆は、マリアTの企みを見抜き、国民の個人情報データベースへの侵入を防ぐ。マリアTから呼び出され、沙羅駆は自分の屋敷に戻る。そこで、毒薬を含む錠剤を1錠ずつロシアンルーレットのように飲み合うゲームを行うことになる。
4) マリアTは毒薬を飲み、苦しみだす。沙羅駆は、賢正に命じてマリアTの胃洗浄を行い、命を救う。警察へは、「マリアTは毒物を飲んで死んだ。既に荼毘に付した」と言うが、沙羅駆はマリアTに「殺人衝動を覚えるとIQが下がる」という首輪をつけ、生かし続けるのだった。
詳細なあらすじ
マリアT(中谷美紀)は警視総監の声色を利用し、法門寺沙羅駆(織田裕二)の射殺命令を出す。沙羅駆は、機動隊に囲まれ、銃口を向けられる。
賢正(ディーン・フジオカ)は、沙羅駆のコートを着て囮となる。彼が機動隊員たちをなぎ倒す間、沙羅駆は奏子とともに逃げる。奏子は捜査一課長に「法門寺を逮捕しろ」と言われるが、拒否する。
全国各地で、マリアTによって停電が起こる。マリアTは、「電気供給のコントロールを元に戻すためには、日本の個人情報データベースへ侵入できるようパスワードを寄越せ」と脅迫する。
警視総監の棚田(篠井英介)は、射殺命令を取り消そうとするが、御前様(井上真樹夫)や幹部・黒木(上杉祥三)は、「法門寺は危険だ。マリアTと通じている可能性がある」と指摘され、射殺許可撤回をすべきではない、と言われてしまう。さらに、テロリストのデータベースが書き換えられ、「法門寺沙羅駆はテロリスト」とされてしまう。
沙羅駆は賢正と合流すると、そこで警察のスナイパーに狙われてしまう。奏子は沙羅駆を庇い、胸を撃たれる。沙羅駆は、奏子が撃たれたことに憤る。
沙羅駆は、奏子を連れて病院へと向かうが、「患者がいっぱいで受け入れできない。その上、電力の供給不足で…」と言われてしまう。
御前様は、マリアTに個人情報のパスワードを渡すことを決定する。一方、沙羅駆は法医学研究所へと向かい、専門外の医師に処置を依頼する。
沙羅駆は、個人情報データベースの4つ目のパスワードを新たに設定する。そして、マリアTのPCをハッキングして、「君の狙いは、私を怒らせて犯罪に走らせようとすることだ。…だが、誤算があった。奏子はしぶとい」と言う。
マリアTは、法門寺家にいた。そこには、妹の瞳(新川優愛)もいた。そのため、沙羅駆は「北鎌倉に帰る。今、すぐにだ」と賢正に言う。
沙羅駆が屋敷に戻ると、書斎にマリアTが待っていた。マリアTは、「大いなる意思に従うしかないんじゃないかしら」と言う。そして、毒薬を含む錠剤を取り出す。互いに相手が飲む錠剤を指定し、2人は錠剤を飲む。
一方、マリアTのデータベースへのアクセス位置を特定し、SATが屋敷を取り囲んでいた。錠剤を飲み合う沙羅駆とマリアT。沙羅駆は、「人間は愚かだ。何度でも失敗する。だが、同時に成長する。昨日はできなかったことが、今日、できることもある。私は君には勝てないのかもしれない。単純にIQのことだけ考えれば、私の負けだ。だが、私には仲間がいる。一緒に立ち向かえば、勝てるんだ」と言う。
残る3つの錠剤で、再び沙羅駆、マリアTは互いに錠剤を1つずつ飲むことになる。その前に、マリアTは「この世界に未来はあると思う?」と質問する。沙羅駆は、「諦めれば未来はその時点で終わる。大事なのは、考え続けること」と言う。
さらに、沙羅駆は「人間の可能性を否定する君の考え方は、醜い。醜悪至極なり…君はずっと1人で生きてきた。誰かと一緒にいれば、違ったのではないか?人は1人では生きていけない」と言うが、マリアTは「そんな言葉では丸め込まれないわ」と言い、錠剤を飲む。
マリアTは、錠剤を飲んだ後、苦しみだして倒れ込む。「どうして私を殺さなかった?この方法なら、私を道連れにすることができたはず」と言うが、マリアTは「この世界に未練はないから。でも、あなた…さよなら。私が愛した脳細胞」と言って息を引き取る。
御前様の前に、賢丈が現れる。データを見せて、賢丈は「このデータが外に漏れれば、御前様とて、問題になります…このデータも若様が取り返したもの。個人データ漏洩も、若様が未然に防ぎました。全て、政府が行ったこととしていただいて結構。若様への射殺命令を取り消してください」と言う。
警視総監は、沙羅駆に「二度と警察に関わらないでくれ」と言うが、「おれはどうかと…暇を持て余せば、あるいはまた」と言う。沙羅駆は、マリアTの遺体について「荼毘に付した」と言う。
奏子は、手術を受けて全快し、沙羅駆のもとへと戻る。そこで、賢正に「法門寺さんとマリアTは、お互いに好きだったんでしょうか?」と質問する。賢正は、「あの2人にしか分かり合えない部分があった」と言う。
沙羅駆は、賢正にマリアTの胃洗浄を指示していた。マリアTは生かされ、「まだ贖罪が済んでいない。そんな君に死を与えるなど、意味がない」と言う。マリアTに「殺人衝動を覚えるとIQが下がる」という首輪をつけるのだった。
マリアTは、沙羅駆の屋敷に留まり続けていた。「あなたが、よりよい未来を本当に実現できるかどうか、そばで見守り続けるわ」と言う。
諸問題について考え続ける沙羅駆に、マリアTは「あきらめが悪いわね」と呆れる。沙羅駆は「私はしぶといんだ」と言う。