映画「風の谷のナウシカ」およびその後の原作のあらすじ・ネタバレ

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設定

産業文明が生まれ、科学技術の発展した人類は、「火の7日間」という戦争により、文明崩壊に至る。汚染された大地には、「腐海」と呼ばれる瘴気というガスマスクがなくては立ち入れない毒に満ちた森が誕生し、そこには巨大な蟲や菌類が存在していた。

トルメキアと呼ばれる王国、そして土鬼(ドルク)諸侯国連合という、二大強国が存在し、互いに敵対関係にあった。その他、トルメキアの同盟国である辺境の地「風の谷」、そして工業都市ペジテ市などが存在していた。

映画版『風の谷のナウシカ』のストーリー

「風の谷」の族長ジルの娘であるナウシカは、腐海散策中に師であるユパ・ミラルダが蟲たちに襲われているのを発見する。そこでナウシカは、光玉と蟲笛により蟲たちを傷つけることなく森へと帰らせる。

ユパが帰ってきた晩、工業都市ペジテ市の避難民が乗る輸送船が、風の谷の付近に墜落した。トルメキア侵攻により、彼らはペジテから避難していたのだったが、その途中で追撃をかわすために腐海に侵入し、蟲に襲撃されて墜落したのだった。

船には、ペジテの王女・ラステルが乗っていた。ナウシカは、彼女に駆け寄って助けようとするが、重傷を負っており、救うことはできなかった。ラステルは死の間際、「積荷を燃やして」とナウシカに依頼する。

船の残骸からは、「巨神兵」と呼ばれる奇怪で巨大な生物が発見された。腐海に飲み込まれぬよう、船に付着した胞子を風の谷の民たちは焼いている中、トルメキアの兵士たちが現れる。胸騒ぎを覚えたナウシカは、病床に臥せる父・ジルのもとへと向かう。すると、ジルはトルメキアの兵士により殺害されていた。

憤怒の表情を露わにしたナウシカは、その場にいたトルメキアの兵士たちを次々に剣で殺害する。我れを忘れたナウシカを、刃先を自らの腕で受け止めてユパが冷静にさせる。

トルメキアの第4皇女であるクシャナは、巨神兵を運び出すことを考えていた。蟲に傷つけられ、左腕を失ったクシャナは、巨神兵により腐海を焼き払おうと考えていた。風の谷の大ババは腐海へ手を出すことに反対し、クシャナをたしなめようとするが、クシャナは聞く耳を持たない。

トルメキアと土鬼の間に、戦争が起こっており、同盟国である風の谷は従軍するよう命じられていた。ナウシカは、人質として数名の老人たちとともにクシャナの率いる軍隊へ合流することとなった。

そんな中、ラステルの兄であるペジテ王子・アスベルのガンシップにより、クシャナ支隊の空中艦隊が襲撃される。空中艦隊は腐海へと墜落し、アスベルのガンシップも撃ち落される。

腐海で、ナウシカはアスベルを救出する。メーヴェに乗っている中、蟲と接触してしまい、ナウシカは、マスクが外れたままアスベルとともに腐海の下層部へと沈んでしまう。だが、そこは瘴気の存在しない環境であった。そこでナウシカは、腐海が汚染された世界を浄化するために誕生したのではないか、と考えるようになる。

ナウシカは、アスベルとペジテへと向かう。ペジテは、蟲たちに襲撃され、壊滅状態にあった。そのことにアスベルはショックを隠しきれない。そこで、アスベルは自分たちの計画についてつい口走ってしまう。

ペジテは、蟲たちを先導し、風の谷を襲撃させて巨神兵を奪還するつもりだった。ところが、蟲たちをコントロールしきれず、暴走した蟲たちにペジテを壊滅させられてしまっていたのだった。

計画を知ったナウシカは、風の谷に戻って警告しようと試みるが、メーヴェに乗ったところで、取り押さえられてしまう。ペジテの船に乗せられたナウシカのもとへ、アスベルの母がやってきて彼女を解放するのだった。

トルメキアの戦艦が攻撃をしてくるものの、ユパたちの協力もあり、ナウシカは難を逃れる。そんな中、怒りに満ちた王蟲(オーム)の群れが走っているのを見かける(大海嘯)。ミトに、風の谷の民たちを避難するよう伝えることを命じた上で、ナウシカは王蟲たちを鎮めに向かう。

先頭では、ペジテの兵が、王蟲の子供を吊るし、王蟲たちを先導していた。ナウシカは、彼らに立ち向かい、王蟲の子を下ろす。仲間たちに合流しようと、酸の海に入ろうとする王蟲の子をナウシカは身を挺して止める。その思いが伝わり、王蟲の子は傷ついたナウシカを気遣う。

一方、クシャナは復活途中である巨神兵を率いて、王蟲を焼き払おうとする。ところが、巨神兵はその最中に溶け出し、その場で崩れ落ちてしまう。ナウシカは、王蟲の大群である大海嘯の中へと、自分と王蟲の子を下ろすようにペジテ兵に言う。

王蟲は止まることなく、ナウシカに衝突し、彼女は撥ねられてしまう。だが、自らを犠牲にしてまで王蟲を止めようとするナウシカの行動により、ついに王蟲は冷静さを取り戻す。

王蟲は、ナウシカを金色の触手で持ち上げ、蘇生させる。ナウシカは息を吹き返し、その触手の上で微笑みながら動く。その光景は、まさしく「その者、青き衣を纏いて、金色の野に降りたつ」という伝説の通りであると大ババはつぶやくのだった。

王蟲たちは、ナウシカの先導で森へと帰る。そして、クシャナたちトルメキア兵たちも引き上げていくのだった。

映画版『風の谷のナウシカ』のその後

原作では、粘菌を生物兵器として使用した土鬼が、結果として国土を壊滅状態に陥らせてしまう。粘菌めがけて集まった蟲の死骸を介して、腐海の領域は拡大し、土鬼は滅亡してしまう。

ナウシカは、土鬼で「森の人」なる人々に出会う。彼らとの出会いで、ナウシカはかねてより推測していた、巨神兵や腐海の植物・蟲が旧世界で開発された人工生命であり、腐海により世界を浄化・再生させようとしている目的で存在している、ということに確信を持つ。

世界が浄化された後、眠っていた旧人類たちは、新人類として復活する予定であった。一方、ナウシカたちは、腐海による瘴気がわずかに存在していないと生存できないよう、旧人類たちに手を加えられた者たちであった。世界の浄化後に新人類たちに取って代わられる存在であることが明らかとなる。

土鬼には、墓所なる場所が存在していた。そこには、人工生命体である「墓の主」なる者がいた。ナウシカはそこを訪れ、復活予定である「新人類」は、闘争本能も喪失させられ、完全に浄化された世界で生活を送ることになると知る。完全に「清浄化」された世界で、争うこともない人々が暮らす理想郷について聞かされたナウシカは、その計画に反発する。結果、ナウシカは墓の主、そして復活予定となっていた新人類たちの卵などを破壊する。理想郷ではなく、腐海とともに生きることを選択するのだった。

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