簡単なあらすじ
1) フジコ建設営業3課の係長・左江内(堤真一)は、責任をとることが大嫌いな会社員だった。そんな彼の前に、「スーパーマンやらないか?」と言う老人(笹野高史)が現れる。
2) 老人の話を取り合わない左江内だったが、会議直前に娘・はね子(島崎遥香)へと弁当を届けなければならず、スーパーマンとなることを了承する。スーパーマンスーツを着て飛んで行くと、会議にも間に合うことができた。
3) スーパーマンとなり、左江内は次々にピンチの人々を助ける。そんな中、はね子たちを人質にとって、高校に立てこもる犯人がいるのだと知る。自らの命を差し出してまで娘を救おうとする左江内に、はね子は泣いて「死んじゃやだ!」と言う。
4) 左江内は、犯人を取り押さえ、立てこもり事件を解決する。だが、人々は左江内の活躍を覚えておらず、刑事たちの活躍により解決したと思う。はね子すら左江内の活躍を覚えていなくて、左江内はスーパーマンを他の誰かにやってもらいたい、と思うのだった。
詳細なあらすじ
フジコ建設営業3課では、蓑島(高橋克実)が資料の不備について部下を叱っていた。そこで、係長・左江内(堤真一)は、自ら責任をとるのがイヤで、部下のミスであると明らかにしてしまう。部下たちは、そんな左江内にあきれてしまう。
左江内は、帰宅すると早々に妻・円子(小泉今日子)から「洗い物をしなさい」と命じられる。さらに、彼は子供たちや自分の弁当を作っていた。
子供たちであるはね子(島崎遥香)やもや夫(横山歩)にも舐められており、いいように使われていた。そんな彼に、見知らぬ老人(笹野高史)が、「スーパーマンにならないか?」と言われる。
左江内は、無視して逃げようとするが、老人はしつこくつきまとう。からかわれていると思っていたが、老人が飛んで立ち去ったのを見て、信じるようになる。
左江内は、円子に「今日、ジジイにスーパーマンにならないかって言われたんだ。世界を救ってくれって。でも、そのジジイ、飛んで行ったんだ」と言う。だが、円子は「世界を救う前に、家庭を救ってもらっていいですか?」と言う。
左江内は、老人に「スーパーマンになって、責任をとりたくない」と言う。だが、老人は「責任をとると、男は強くなる」と言う。
左江内は、円子に「はね子が弁当を忘れてったから、届けて」と言われる。大事な会議を前に焦る左江内に、老人は「スーパーマンになれば、ひとっ飛びだ」と言う。左江内は、スーパーマンスーツに身を包み、飛んで行く。
左江内は弁当を取りに自宅へと戻り、学校にいるはね子へ弁当を届ける。隣人に姿を見られてしまうが、スーツからは忘却光線が出ており、隣人はスーパーマンのことを忘れる。左江内は無事に会議に間に合った。
左江内の耳に、女性が助けを求める声が届く。無視することができない左江内は、バッジで変身して素早く風呂掃除を済ませた後、救出に向かう。現場には、カップルに絡む不良2人がおり、左江内は無事に騒ぎを収束させることができた。
その後も、会社でも助けを求める声を聞き、「トイレ」と称して救助に向かう。ある時は自殺志願者を助け、人知れず立ち去る。またある時は、火災現場でイヌを救助する。
部下の池杉(賀来賢人)は、左江内がたびたびトイレでいなくなってることを怪しむ。池杉は、左江内のあとをつけてトイレへと向かう。だが、スーツの忘却光線で、池杉はすっかり忘れてしまう。また、円子も夜中に家を出る夫のことを怪しんでいた。
左江内は、寝坊してしまい、はね子ともや夫を乗せて飛ぶ。また、満員電車を避けるため、空を飛んで帰宅する。
業務中、見積書を忘れた部長のため、左江内はスーパーマンとなって飛んで届けようとする。途中、立てこもり事件が起きており、左江内は仕方なく無視する。その後、犯人によって重軽傷が出たことを知り、左江内はショックを受ける。
左江内は、「責任を負う」ことをやはりやめたいと考えるようになる。スーツを銅像に着させて、左江内はスーパーマンになることをやめようと考える。
だが、ネットニュースで立てこもり犯がはね子の通う高校に立てこもったと知り、銅像のもとへと急ぐ。いたずらだと思った清掃員は、スーツを捨ててしまう。左江内は、仕方なく生身の人間のまま、高校へと向かう。
左江内は、立てこもり犯に「子を持つ親の気持ちを考えたことはあるのか?親は悲しんでるぞ。人間、誰しも間違いは犯す」と説得するが、犯人は発砲する。そんな中、担任の教師が右腕を撃たれてしまう。
そんな中、老人が現れて「もうよく分からない銅像に着せないでね」と言ってスーツを渡す。左江内は、スーパーマンとして教室に再び現れる。娘を人質にとられ、左江内は土下座する。
「お前が死んだら、娘を解放する」と言われ、左江内はスーツを脱ごうとする。だが、はね子は「死んじゃヤダ!私は、パパじゃなきゃヤダ!」と言って泣く。そんな中、妻に連絡をとらせようとする犯人の肩をつかみ、左江内は犯人を捕らえる。警察官や生徒たちの記憶は消され、小池(ムロツヨシ)刑事の手柄となる。
せっかく娘を救出したにも関わらず、はね子も「小池刑事が助けてくれた」と思っていた。やりきれない思いの左江内は、「スーパーマンやりませんか?」とバス停で待つ人々に言うが、気味悪がられるだけだった。