簡単なあらすじ
1) 政次(高橋一生)は、今川義元(春風亭昇太)のもとへ出向き、井伊直親(三浦春馬)の帰参と家督相続を認めてもらおうとする。義元は、井伊谷での大規模な検地の実施を交換条件に認めるのだった。
2) 井伊の川名には、隠し里があった。井伊直平(前田吟)の「もしもの時に、井伊の民が隠れ住む場所。今川が攻め入った時、ここがなければ、井伊は滅んでいたかもしれない」という意図を知り、直親は里を隠し通すことに決める。
3) 直親は、政次を信じていると言い、隠し里の存在を隠してもらうよう依頼し、「最後はお前が決めよ」と言う。だが、検地を行う岩松(木村祐一)に里の存在を発見された際には、「ここは井伊の土地ではない…そうだな」と直親は政次に詰め寄る。
4) 政次は、「ここは井伊の土地でありなが、井伊の土地ではございません」と説明し、事なきを得る。その後、政次は直親に「私を信じていらっしゃらぬのなら、それでよろしいのですが、信じているふりをされるのは、気分のいいものではござらぬ」と言うのだった。
詳細なあらすじ
次郎法師(柴咲コウ)は井伊家のため、許嫁・井伊直親(三浦春馬)との別れを選ぶ。次郎は、直親の笛の音を遠くで聴いて、切なさを感じる。
政次(高橋一生)は、今川義元(春風亭昇太)のもとへ出向き、直親の帰参と家督相続を認めてもらおうとする。義元は、井伊谷での大規模な検地の実施を交換条件に認める。
井伊直平(前田吟)は、「川名を検地されでもしたら…」と、隠し里に今川の検地の手が及ぶことを恐れ、「もし今川がやって来ようものなら、血の雨が降る」と言う。隠し里の存在を知った直親は、一度、その地を見に行こうと考える。
隠し里は、馬も入れない山道を通り抜ける必要があった。その先には、広大な田畑が広がっていた。「もしもの時に、井伊の民が隠れ住む場所。今川が攻め入った時、ここがなければ、井伊は滅んでいたかもしれない」と直平は言う。
その意図を知った直親は、検地の際に川名の隠し里を隠そうとする。直親は、次郎に「隠し通す。そのためには、検地にくる者たちのことを知っておかねばならぬ」と、丸め込むための情報を探って欲しい、と言う。直親の正室・しの(貫地谷しほり)は、直親が次郎に会いに行っていたと知り、嫉妬心を抱く。
直親は、川名の里の隠蔽工作を開始する。次郎は、瀬名に手紙を送ったが、返信はなかった。そして、「この話、政次にこの話したのか?」と訊ねる。そこで直親は、「政次も、自分の父親と同じようにはならぬと、そう考えているところがあるのではないか。そこに賭けてみたい」と言うのだった。
直親は、川名の指出(住民、田畑の面積、収穫できる石高などの調書)を政次に提出する。隠し里については、「できれば出さずにおきたい」と言い、「それに加担せぬなら、冊子を一緒に出してくれ。もし一肌脱いでくれるのなら、この指出を破り捨てて欲しい」と言うのだった。
直親は、小野の辛い立場を思いやる言葉を残して立ち去るのだが、政次は「俺に決めよと言い放った…無性に腹が立つ!」と言うが、弟・玄蕃は「兄上のことを信じている、井伊のためを思っていると信じておられるのではないですか」と言う。
政次は、隠し里の指出を破り捨てた、と言うのだった。だが、隠し持っていた。
検地を担当する岩松(木村祐一)がやってきて、指出を確かめる。領地の地図を見て、実際に土地を見回って、田畑の寸法を測るといった確認を行う。岩松は、取り付く島もない人物であり、直親は次郎に相談に行く。
次郎は、直親に政次が「俺の思うように事が運ぶように」と願掛けに来ていたことを告げる。そこで次郎は、「2人の思いは同じなのか?」と訊ねる。
次郎は、政次に「このたびの検地、亀の味方をして欲しい」と願い出る。そこで政次は「ならば、還俗して俺と一緒になるか?」と言う。「俺も俺で、とりっぱぐれは願い下げでな」と言う。言葉を濁す次郎に、「何の覚悟もないなら、寺で経でも読んでおけ」と言い捨てる。
そんな中、瀬名からの手紙が寺に届いていた。ところが、次郎は政次に話をするまで帰らぬ、と一晩を過ごしていた。彼女のもとへ、南渓和尚(小林薫)が手紙を届けにきて、すぐさま次郎は「今すぐ直親殿を助けに参ります!」と言う。
瀬名は、岩松と親しいという竹千代から岩松が「数と算術、亡くなられた奥方を愛する」という情報を伝えていた。
岩松は、川名の隠し里への抜け道を発見する。そして、ついには隠し里を発見してしまうのだった。「これは井伊の里ではないのか?」と訊ねる岩松に、直親は「ここは井伊の里のものではありません」と言い、さらには政次に「そうであるな」と詰め寄る。
政次は、「ここは井伊の里南朝の御子様が隠れ住んでいらっしゃった土地。故に、井伊の土地でありながら、井伊の土地ではないという場所でございます」と言い、岩松は「心得申した」と言う。
次郎は、岩松に「亡くなった奥方の月命日…よろしければ、経を上げさせていただければ」と言う。岩松は「これは…妻も喜んでいるでしょう」とつぶやく。
次郎は、「既にことは収まっていた」と言うが、南渓和尚は、「目に見えぬところで何かの役に立つかもしれん」と言う。
政次は、「私を信じていらっしゃらぬのなら、それでよろしいのですが、信じているふりをされるのは、気分のいいものではござらぬ」と言う。
直親は、しのが次郎との関係を勘ぐっているため、祝田村へと移り住むよう言われる。また、しのの妹が直親の弟・玄蕃と祝言をあげることとなった。松平元信(竹千代)は、瀬名と正室となった。