簡単なあらすじ
旧約聖書『創世記』の「天地創造」「アダムとエバ、失楽園」「カインとアベル」「ソドムとゴモラの滅亡」などをモチーフとしていると考えられるストーリーである。
1) 母なる大地である「マザー」は、神である「作家」の家で目を覚ます。家は最近火事に遭い、作家が大切にしている結晶を台座の上に置くと、家は新しく改築されるのだった。また、作家はスランプにあえでいた。
2) マザーは作家のことを夫であると考え、作家のことを家の中で探すのだった。そんな2人のもとに、作家のファンであるという男性(アダム)、そして彼の肋骨から作られた女性(イブ)もやってくるのだった。訪問客の男女は、結晶を落として割ってしまい、マザーは2人を追い出そうとするが、出ていかない。作家のファンたちは次々にやってきて、家の中を荒らしたり、物を盗んでいく。そんな中、マザーを救うべく銃を持った人々が現れ、ファンを暴力的に排除し始めるのだった。
3) マザーは作家とセックスをして子供を身ごもる。作家はスランプから脱して新作を書き上げる。その新作はすみやかに出版され、発売される。そんな中、マザーは子供(イエス・キリスト)を産む。作家にも子供を抱かせようとはしないが、マザーが眠っている隙に作家は外に連れ出してしまう。
4) 子供は、群衆によって殺され、食べられてしまう。肉片と化した子供を見たマザーは激怒し、地下にあるオイルタンクで群衆を焼き殺す。作家は、自らも火で焼かれたマザーの胸から心臓を取り出す。その心臓は結晶となり、再び台座に置くと焼けた家は改築されるのだった。
詳細なあらすじ
最近、火事に遭った八角形の家では、有名な作家がスランプに苦しんでいた。作家は、水晶を台座の上に置く。すると、家は改装されたかのように綺麗に生まれ変わる。その中で、女性(マザー)が目を覚まし、夫である作家を「あなた、どこ?」と探すのだった。
ある日、作家のファンであるという男が訪ねてきて、家に滞在する。ファンの男は、長引く咳をしており、肋骨に新しい傷があるのをマザーは見る。その翌日、男の妻もまたやってきて、滞在するのだった。その男女は家で、結晶を誤って割ってしまう。それを知り、マザーは2人を追い出そうとするのだった。
作家も激怒するのだったが、2人の男女は出て行かず、さらには寝室で性行為に及ぶ。そんな中、男女の兄弟が現れる。兄弟は、父親である、ファンであるという男の遺した遺産を巡って争っていた。
兄は弟を殴りつけ、床は血まみれになっていた。マザーはその血を拭こうとすると、血液が地下へと滴り落ちていく場所を見つける。その地下には、オイルが貯められたタンクが置かれていた。
ファンの男たちが現れてから、さらに多くの人々がやってくるようになった。彼らはパイプを破壊し、床を水浸しにしてしまう。激怒したマザーは、迷惑な訪問客たちを追い出すのだった。苛立つマザーを落ち着かせ、その後2人はセックスするのだった。
翌朝、マザーは「妊娠しているわ」と夫である作家に告げる。作家は喜び、さっそく創作活動に励む。マザーは子供が生まれるのを喜びつつ待ち、作家の最新作を読んで感動して涙を流すのだった。その作品は出版され、販売される。
そんな中、作家のファンたちは次々にやってきて、家の中を荒らしたり、物を盗んでいく。そんな中、マザーを救うべく銃を持った人々が現れ、ファンを暴力的に排除し始めるのだった。
マザーはついに出産をし、赤ん坊がついに生まれる。ファンの人々は、「赤ん坊を見たい」と騒ぎ立てる。マザーは拒否し、夫にすら赤ん坊を抱かせようとはしなかった。ところが、眠っている隙に作家はその赤ん坊を連れ出してしまうのだった。
群衆は赤ん坊を乱暴に掴み、ついには首を折ってしまう。そして、その遺体を群衆は貪り始めるのだった。マザーは、変わり果てた赤ん坊の姿を見て激怒し、ガラス片で次々に群衆を刺そうとするが、返り討ちに遭ってしまう。マザーは、オイルタンクがあるのを思い出し、オイルを撒いて人々を焼き殺すのだった。
マザーに火がうつって燃えていたが、作家は無傷だった。作家は、マザーに愛は残っているかと問い、マザーはそれを渡すことに同意する。作家が胸を開き、涙を流しつつ心臓を取り出す。その心臓は結晶化し、再びその結晶を台座の上に置くのだった。すると、焼けた家は再び改装されるのだった。
新たなマザーが誕生し、「あなた、どこ?」と作家を探すのだった。