あらすじ:ネタバレなし部分まで
元記者で写真家のアレクサンドラ=サーシャ(アンナ・チポフスカヤ)は、恋人のアンドレイ(ピョートル・フョードロフ)の家に向かっていた。アンドレイは美術の大学院生で、サーシャは彼に絵の才能を感じていた。
タクシーを降りると、サーシャは男とすれ違う。その後、部屋に入るとアンドレイは射殺されていた。通報し、警察官に事情を話す。部屋からは大金が発見され、強盗殺人の可能性が高いと考えられていた。そんな中、先ほどすれ違った男(後に判明するが、マシュコフ少佐)が現場にやってきたため、サーシャはその場から逃げ出す。
サーシャは命の危険を感じ、自宅で荷物をまとめていた。そんな中、アンドレイが最後に送ったメールに気づき、その画像を印刷する。その間にも何者かが部屋に入ろうとしていたため、再び彼女は逃げ出す。
そんな中、知らない男性から電話で「君を助けたい」と言われる。その声の主は、ヴォルコフ中佐で命を狙われる彼女の保護をしようとしていた。だが、疑心暗鬼に陥ったサーシャは信じることができず、その携帯電話を叩きつけて壊す。
サーシャは殺人犯として指名手配されていた。アンドレイの親友であるミーシャ(イリヤ・ルビモフ)は、サーシャにいくばくかの現金を渡し、身を隠すよう言われる。
そんな中、彼女はアンドレイのメールに添付された画像、そして彼が以前に描いていた絵を組み合わせると、QRコードになると気付き、読み取ってウェブサイトにたどりつく。そのサイトに掲載された絵は、デンマーク人画家のペーターセンのものである可能性があった。
サーシャは、アンドレイの友人画家ズーエフ(アレクサンドル・ヤツェンコ)に会いに行くのだが、彼もまたアンドレイを殺害した犯人に射殺されてしまう。さらにサーシャは、アンドレイと関係のあったフィリポヴィッチ教授に会いに行き、手がかりをつかもうとするのだが、教授もまたすでに首を吊った状態で死亡していた。
サーシャは、アンドレイの「修復」した絵が、異常な高値で売られていることに気づく。アンドレイはフィリポヴィッチ教授、そして美術商のコワリョフ(アレクセイ・バラバシュ)らに依頼され、贋作を描いていたのだった。手口としては、コワリョフが安値でヨーロッパ人画家の絵を仕入れ、アンドレイが手を加えて有名ロシア人画家の絵であると偽って売っていたのだった。
あらすじ:ネタバレあり・結末まで
美術の専門家であるクリストフォロフ博士すらも、それが贋作であるとは気づいておらず、本物であると鑑定していた。実際、アンドレイの絵は19世紀ロシア人画家イヴァン・シーシキンの絵であると鑑定され、100万ドルの価値があるとしてアメリカの大統領へと贈られていたのだった。
サーシャはその後、ヴォルコフ中佐に保護される。そこでサーシャは、フィリポヴィッチ教授、美術商のコワリョフらがアンドレイに贋作を作らせ、クリストフォロフ博士の鑑定書つきで売っていたことを明かす。
ヴォルコフ中佐は、サーシャに護衛をつけた上で彼女を帰宅させる。一方で、ヴォルコフ中佐はマシュコフ少佐に「クリストフォロフ博士を絵とともに連行せよ」と命じる。マシュコフ少佐は、画家の名前を具体的に口にした上で、「絵とともに連行します」と応じる。
一方、サーシャは自宅に戻ると、再び侵入者が現れ、護衛を殺害する。その侵入者はマシュコフ少佐だった。サーシャが必死の抵抗をする中、そこにアンドレイの親友であるミーシャが現れ、マシュコフ少佐を射殺する。
ミーシャもまた、アンドレイらの贋作チームの仲間だった。ミーシャは、贋作を売る役割であったのだが、アンドレイが欲に目がくらんで絵を勝手に売ってしまい、結果、アメリカの大統領へと贈られてしまった。贋作であると発覚する可能性が高く、ミーシャは証拠隠滅のためにマシュコフ少佐を雇い、関係者を消していたのだった。サーシャもまた口封じのために殺害されそうになるのだが、ヴォルコフ中佐が助けにやってくるのだった。
ヴォルコフ中佐は、マシュコフ少佐が具体的に画家の名前を口にしていたため、彼に疑念を持ったのだった。ヴォルコフ中佐に保護され、サーシャはパトカーの中で「アメリカに贈られた絵画が盗まれた」というニュースを耳にするのだった。