小説家の「私」は、小説新潮に掲載された怪異短編小説「染み」「お祓いを頼む女」「妄言」「助けてって言ったのに」「誰かの怪異」に、「小花柄のチュニックを着たソバージュの中年女性占い師」が関わっていることに気づく。
・「染み」では、亡くなった3人の男女を占った占い師
・「お祓いを頼む女」では、平田千恵美にお祓いを依頼されるも、「何もする必要はない」と言った霊能者
・「妄言」では、予知能力を持っていると考えられる前原寿子の信奉する「シンドウさま」
・「助けてって言ったのに」では、悪夢に苦しめられた智世、静子の2人が、占い師と同様のソバージュ風の髪型をしていた(その結果、占い師を恨む怨霊が悪夢に登場していた)。
・「誰かの怪異」では、霊能者であるという岸根の信奉する人物が占い師
であり、それぞれ「小花柄のチュニックを着たソバージュの中年女性占い師」の影が存在しているようであった。さらに、死亡した関係者はすべてその占い師のことを「疑った」という共通点があった。
ライターの榊桔平は死亡者と占い師との関連性に気づき、出版することは控えた方がいいとアドバイスした上で、小説家である「私」の原稿を預かっていた。
本の出版を控え、締切日を伝えてあったのだが、その日を過ぎても榊は音信不通となっていた。