1990年、アメリカ・ミネソタ州。ブルース・ケナー刑事(イーサン・ホーク)は、父親による娘への虐待事件の捜査に当たっていた。
ジョン・グレイ(デヴィッド・デンシック)は、17歳の娘アンジェラ(エマ・ワトソン)を虐待した容疑で告発されていた。グレイは容疑を認める一方、娘を虐待した記憶がないのだという。
捜査チームは、ケネス・レインズ教授の協力の下、グレイへの回復記憶療がなされる。アンジェラは、「マスクをつけた男たちに虐待され、カメラで撮られた」と証言した。さらに、事件にはジョージ・ネスビット刑事(アーロン・アシュモア)が関与している可能性があった。
だが、ネスビット刑事を調べたものの、事件への関与を疑わせる証拠は出てこなかった。また、アンジェラの証言により、悪魔崇拝を行うカルト教団が事件に関与していると考えられた。
ケナー刑事とレインズ教授は、アンジェラの兄であるロイ(デヴォン・ボスティック)に会いに行き、話を聞きに行く。幼いころの記憶があやふやであるというロイに、レインズ教授が退行療法を行う。
結果、ロイはフードをかぶった人間が部屋にやってきたことを思い出す。そのフードをかぶった人物は、彼の祖母ローズ(デイル・ディッキー)ではないかと考えられた。
ケナー刑事は、「カルト教団の儀式に巻き込まれる」という悪夢を見るようになる。アンジェラは、「母が亡くなる間際にも怪現象が相次いだ。あなたの命も危険かもしれない」と警告する。その警告通り、ケナー刑事はアンジェラの母親が巻き込まれたのと同様の出来事に遭遇するのだった。
ローズは、幽霊を見て自宅の窓から飛び降りて怪我をする。ケナー刑事は、アンジェラを安心させ、慰める。そこでアンジェラは、ケナー刑事にキスをするのだった。
ケナー刑事は、路上で広告を見て、悪夢の中で登場する女性と同じ人物であると気づく。そこで、自分の記憶は、セラピーによって植え付けられたものではないかと疑い出すのであった。
ケナー刑事は、ネスビット刑事、そして彼の同僚であるファレル(アーロン・エイブラムス)に襲われる。ネスビット刑事は、ケナー刑事が自分を虐待事件に関与していると疑い、キャリアを傷つけたことで恨んでいたのだった。
その後、ネスビット刑事はアンジェラとの関係性について明かす。母親が亡くなった後、アンジェラは母を死に追いやったと考えた家族から離れたかった。そのため、性的関係をもっていたネスビット刑事に「一緒に逃げて」と依頼したのだった。ところが、未成年者であることから、ネスビット刑事はそれを断った。
そこでアンジェラは、父親が虐待をしたなどと言い出したのだった。ケナー刑事は、アンジェラに対面し、そこで彼女は「私たちがキスしたことを言えば、誰もあなたの言うことを信用しないわ」と言うのだった。
ケナー刑事は、アンジェラの父ジョンに真相を伝えるのだが、ジョンはアンジェラのためにあえて罪を受け入れ、「悪い父親であったことをいつか許してくれることを願う」などと言うのだった。
解説
1980~90年代初頭のアメリカで、「悪魔崇拝」による儀式が次々と告発され、社会問題となったことに着想を得て、本作が生まれたとのこと。
しかし、実際には本作のようにさまざまな理由・背景があって、「狂言」であったケースもあるという。アンジェラ・グレイは、母親の死をきっかけに、家族と離れたい一心で父親の虐待をでっち上げている。