「何だかんだ銀座」前半部分(ネタバレなし)
羽鳥祐介(岩田琉聖)は、銀座の公園で「野生のお金持ち」であるニホンオオカネモチ(有田哲平)を捕獲して、自宅で飼うことにする。
誕生日プレゼントとして飼うことを許されるが、ニホンオオカネモチは銀座で買った食器、食べ物以外は受け付けないといった性質があり、両親もまた苦労しつつ、祐介のニホンオオカネモチ飼育のサポートを行う。
散歩の他にも、ジムやサウナ、ゴルフなどに通わせる必要があり、さらにはパーティーを定期的に開く必要があった。そのような費用は当然、裕介の両親にのしかかり、頭を抱える。
そのことを耳にしたニホンオオカネモチは、迷惑をかけまいと裕介の家を出て行ってしまう。裕介は、ニホンオオカネモチを探し回るが、なかなか見つけることができない。
「何だかんだ銀座」後半部分(ネタバレあり、結末まで)
いじめっ子の神谷に小遣いを巻き上げられそうになる中、突然、ニホンオオカネモチが現れ、裕介を助ける。
「心配してたんだぞ」と言う裕介に、ニホンオオカネモチは「ニホンオオカネモチのかんさつ日記」を手渡す。それは、神谷にビリビリに破かれてしまったものであり、ニホンオオカネモチが貼り合わせて渡してくれたのだった。
そんな中、母親に「これ以上、ニホンオオカネモチを飼うことはできない」と言われてしまう。家計を圧迫してしまっており、これ以上は飼い続けることは難しいということだった。
父親にも説得され、裕介はニホンオオカネモチを連れて、銀座の公園へと出向く。ハチミツを樹に垂らし、ニホンオオカネモチが夢中になっている隙をついて裕介たちは帰ろうとする。だが、裕介はニホンオオカネモチに向けて、「次の飼い主に、このノートを見せるんだぞ」と言って、かんさつ日記を置いて立ち去る。
12年後、裕介は就職活動をしていた。そんな中、就職を希望した会社から呼び出され、会長に会うこととなった。その会長というのは、飼っていたあのニホンオオカネモチだった。
再会を喜ぶ裕介だったが、今度はニホンオオカネモチによって「捕獲」される。「ここまで育ってくれるとはなぁ…会いたかったよ、裕介。これからよろしくね」とニホンオオカネモチは高笑いする。
シュールな世界観は『世にも奇妙な物語』っぽいのですが、ひねりもなく淡淡と進むのが「あれ?あれ?」という作品でした。「結局、どう見たらいいんだろう?」というのが正直な感想です。
「何だかんだ銀座」制作情報
・原作:村崎羯諦『何だかんだ銀座』(『余命3000文字』収載)
・脚本:相馬光
・演出:植田泰史
・編成、企画:渡辺恒也、狩野雄太
・プロデュース:中村亮太