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芦沢央「火のないところに煙は 第三話 妄言」あらすじ・ネタバレ・結末

   

塩谷崇史は、一軒家を購入しようとしており、不動産屋に連れられて妻の由美とともに価格が手ごろな中古物件を内見に行く。隣人は前原寿子という五十代の女性であり、親しげに話をしてきた。
 
崇史は、その家を購入することにし、由美とともに暮らし始めた。その後、由美は妊娠し、寿子はそれを打ち明ける前に言い当てるのだった。幸せの真っ只中にいる崇史だったが、そんな彼に妻は「浮気しているでしょう」と言うのだった。
 
崇史にそんな心当たりはなかったのだが、寿子が「8時に女性と食事をしているのを見た」と由美に言ったのだという。崇史は寿子に抗議をするのだが、寿子は「見た」と言い張っていた。
 
崇史は、翌日に同僚の女性とランチに行き、そのことを愚痴る。それからというものの、浮気を疑われたことで夫婦関係はぎくしゃくとしてしまうのだった。寿子はさらに浮気について「告げ口」をし、崇史は「証拠を出せ」と言うのだが、寿子は「写メを撮ったんだけど、上手く撮れなかった」と言うのだった。
 
そんなやりとりがあった後、由美は流産をしてしまう。崇史は、悲しみに暮れる由美を支えるため、会社をしばらく休んで慰めた。そのこともあり、由美は浮気を疑って申し訳なかったと謝罪するのだった。
 


 
崇史は、由美の流産は寿子のせいであると恨みをもつようになっていた。そんな彼女が、自宅にいて由美を慰めるように声をかけていたため、激怒して寿子と口論になる。さらには、寿子は、「シンドウさま」なる人が与えたという御札を持っていたため、新興宗教の勧誘にでも来たのではないかと思うのだった。
 
寿子はやはり「浮気していた。私は見た」と主張し、さらには「あなた、女を殺したでしょ。今さっきのことよ。私、見たんだから」などと言い出す。それにはさすがに崇史も呆れ、寿子を追い出そうとする。
 
寿子は家の外に追い出された後、崇史に凄まじい形相で近づく。崇史はたまらず彼女を突き飛ばし、寿子は頭を石段にぶつけ、死亡してしまう。結果、崇史は傷害致死で逮捕されてしまうのだった。
 
この話を服役中の崇史に聞き、ライターの榊桔平は「寿子は未来のことを見ていたのではないか」と考える。「崇史が夜8時に女性と食事していた」というのは、翌日に同僚とランチで愚痴っている様子であり、「女を殺した」というのは、殺される自分自身の様子をみていたのではないか、と思うのだった。

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