3月2日、藤沼悟は朝に登校すると、雛月加代は登校していなかった。「手袋を編んで、寝坊したのか」とも思ったが、雛月は結局、学校に来なかった。
放課後、悟は急いで雛月の家を訪れる。だが、そこに雛月の姿はなかった。悟は過去を変えようと奮闘したが、結局、雛月は失踪してしまったのだった。悟は、「もっと何かできたんじゃないか…」と思い、自分を責める。
悟は登校しなかったが、母親に「自分に何かできたはずと思うのは、思い上がりだ。1人だけでできることには限りがある」と説得され、悟は登校する。そんな中、隣の小学校に通う中西彩も失踪していたと判明する。だが、子供を不安にさせまいと、報道規制が行われ、おおっぴらには連続誘拐事件としては知らされていなかった。
悟は、雛月の母親が、ゴミを捨てるのを見かける。そのゴミ袋の中には、雛月が編んでいた手袋が入れられていた。それを見た悟は、雛月のことを思い、大声を上げて走りだす。その先には、2006年の未来が待っていた。
リバイバルは終わり、悟は戻ってきたのだった。母親は殺害され、悟自身は重要参考人として警察官に追われていた。そんな彼の元に、ピザ屋の高橋店長が電話をかけてくる。無断欠勤した悟に話を聞くため、店長は悟を自宅へと招く。だが、高橋店長は外出する振りをして警察に通報する。そのことを察した悟は間一髪で逃げ出す。
警察が包囲する中、片桐愛梨に助けられ、悟は片桐の自宅に匿ってもらう。悟は、雛月の事件が掲載された雑誌を読み、雛月の失踪した日付が変わり、「過去は、一部変えられたのだ」と思う。
愛梨は、ピザ屋にバイトへ行く。店長は、市議会議員と会って、信号機を近辺に設置してもらったことを感謝していた。市議会議員と店長は、愛梨がピザをテイクアウトし、「友人に持っていくんです」と言うところを見かけていた。店長は、そんな愛梨を尾行し、彼女の家に悟がいることを知る。高橋店長は、警察に通報しようとする。そんな店長を止め、愛梨は悟を外に連れだす。
愛梨は悟に、「信じてるんじゃなくて、信じたいんです。私の父は、万引きしたと疑われ、職を失って離婚しました。でも、私だけは父がそんなことをしていないと信じています」と、人を信じることの大切さについて語る。
愛梨は、悟のために自宅で着替えを用意していた。ところが、そこに悟の母・佐知子のケータイ電話から「悟です。その場を動かないで」とメールが送られてきた。だが、すぐに愛梨は、犯人が佐知子のケータイ電話からメールを送っていると分かる。家に火が放たれ、愛梨は燃え盛る自宅で意識を失ってしまう。
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