小田直美(広末涼子)は、服部加奈子(内田有紀)とともに、加奈子の夫・達郎(佐藤隆太)を殺害する計画を立てていた。加奈子は達郎にDVを受けており、「殺害するしか、助かる方法はない」と考え、直美も手を貸すことにしたのだった。
リハーサル通り、酔って熟睡している達郎の枕の下にロープを差し込む。両端を直美と加奈子は握る。顔を見合わせ、意志を確認した2人は、ロープを締め上げようとする。だが、その瞬間、達郎の携帯電話が鳴り響く。達郎の姉・服部陽子(吉田羊)からの電話だった。
達郎は、目が覚めてしまう。思わず直美はロープを落としてしまうが、加奈子の「直美!」という声に反応し、直美は加奈子とともにロープを絞める。達郎は抵抗していたが、やがて力を失った。だが、加奈子は「まだよ!」とさらに力を加え続ける。
呆然とする直美だったが、加奈子はテキパキと遺体をバッグへと詰める準備を行う。陽子の留守番電話を聞くと、「おめでとう。達郎がやってきた結果だね。殺されないように用心して」という意味深なメッセージが入っており、驚く。自分たちの計画がまるで見透かされているかのような言葉に、直美たちは戦慄する。
直美と加奈子は計画通り、遺体を運んで遺棄場所まで向かう。その中で、加奈子は「今まで私は、殴られ続けて、現実逃避していた。だけど、普通の生活を取り戻そうと思った。直美が私を変えてくれたんだ」と直美に感謝する。
重い遺体を2人がかりで引きずっていく。だが、途中で引っかかると、滑車とロープを駆使して移動させる。直美は、遺体を見ることに抵抗を覚えていた。「バッグのまま捨てようか」と直美は言うが、加奈子は「ダメよ。白骨化が遅くなる」と、冷静に言う。
「自分のしたことを見ておく」と直美は言うが、遺体を改めて見ると、「絶対に夢に出る…」と後悔する。「もう、後戻りはできない」と決心した2人は、達郎の遺体に土をかぶせていく。作業が終わると、既に朝を迎えていた。
直美と加奈子は、体を休めるものの、眠れぬ時間を過ごしていた。加奈子の作ったかつサンドで腹ごしらえを行う。2人は、達郎になりすまして出国する予定の中国人密入国者・林竜輝と品川駅で落ち合う。達郎に生き写しな姿であることに、直美は驚く。
林に、残りの報酬である100万円(計 200万円)をATMで引き下ろさせる。防犯カメラを意識しつつ、林は達郎の利き手である右手でATMの操作を行う。空港までの道中、加奈子は林と話をする。心優しい林との思い出が、加奈子の脳裏に蘇っていた。
空港で最後の段取りを確認する。直美の「二度と私達は会うことはありません。忘れてください」と言う。その言葉に、林は加奈子の顔を見つつ、寂し気な表情をする。林に、加奈子は「ありがとうございました。…美味しい紹興酒、作ってくださいね」と声をかける。林は、紹興酒を母国で再び作ることが目標だった。林は笑顔を浮かべ、出国ゲートへと消えていった。
直美と加奈子は、空港のレストランでビールを飲み、祝杯を上げる。2人は安堵の笑みを浮かべ、加奈子の安穏な日々を取り戻せたと確信していた。
直美は、再び眠れぬ夜を過ごしていた。ロープに力を込めた時のことを思い出し、深い溜息をつく。加奈子は、さすがにベッドでは眠れなかったが、ソファで8時間眠っていた。直美と加奈子は、人気のパンケーキ店でランチをとり、達郎の失踪が明らかになる月曜日からの段取りを確認する。
銀行に出勤していないことから、達郎の失踪が明らかになる。そこから、夫が帰ってこなくて困惑する妻を加奈子は演じることになる。
月曜朝9時半、予想していた通り、寿銀行の達郎の同僚・山本(近藤公園)から、自宅に電話がかかってくる。加奈子は、打ち合わせ通り、「土曜の昼から、『休日出勤』と言って出かけております。そこから、自宅には帰ってきてないんです」と言う。山本が「ご実家には連絡しましたか?」と言われ、気が進まなかったが、達郎の実家に連絡を行う。
直美は、李朱美(高畑淳子)から「大事な話がある」と電話を受ける。「とうとうやりましたね」と朱美に言われ、直美は驚く。だが、朱美は「とうとう、ウチも美術品を扱うことになりました」と報告する。
ニュース番組で、「山中で遺体が発見された」と報じているのを聞き、直美は肝を冷やす。さらに、朱美は何か勘付いているのか、「林さん、中国に帰りました。パスポート持っていないはずなのに。誰が手配したのかね」と言う。
一方、加奈子は自宅に寿銀行の支店長と山本がやってきた際、「実は…夫のパスポートがなくなっていました。あと、私のキャッシュカードがなくなっていました」と切り札を出す。加奈子の口座を調べると、1,000万円の振り込みと100万円が2回に渡って引き出されていることが判明する。
支店長は、「こちらで調査を行いますので、それまでは警察に連絡をしないでください」と言われる。
陽子は、母親から達郎が無断欠勤していることや、顧客の口座から1,000万円が振り込まれていること、200万円を引き出して失踪していることを聞く。だが、陽子は「そんなこと、達郎がするはずはないわ」と母親に告げる。
加奈子は、陽子が突然自宅にやってきて驚く。陽子に事情を訊かれ、しどろもどろになりつつも、加奈子は銀行が疑っていることを話す。陽子は、加奈子の顔のアザや、達郎の「殺される…」という留守番電話について、執拗に質問する。
直美は、達郎が1,000万円を”横領した”ことになっている顧客の斎藤から呼び出される。斎藤の自宅には、支店長と山本が来ていた。直美は、「木曜日、服部さんと一緒に斎藤様のお宅に訪問致しました。服部さんがパソコンを操作し、説明を行いました。私は一度、会社からの電話を受けて席を立ちました」と説明する。
だが、認知症の斎藤は「服部さんなんか知りません。口座なんかのことについては、全部、小田さんにお願いしているから」と言う。直美と加奈子は、互いに窮地に追い詰められていた。
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原作あらすじ:「ナオミとカナコ」あらすじ・ネタバレ