小田直美(広末涼子)と服部加奈子(内田有紀)は、中国への高飛びを試みようとしていた。一緒に加奈子のマンションを出ると、そこに鍋島刑事(モロ師岡)らが現れ、任意同行を求める。加奈子は去り際、「大丈夫。何も話さないから」と直美に囁く。
鍋島刑事は、直美に「後日、あなたにも話を聞くことになります」と言う。走り去る警察車両を、直美は見送るより他はなかった。
服部陽子(吉田羊)もその場にやってきており、警察にマンションとATMの防犯カメラ映像を提出したことや、替え玉にした林竜輝(佐藤隆太)の存在を明らかにしたと告げる。さらに、加奈子が自白するだろうと陽子は言い、「後悔しても、もう遅い。あなたたちは、もう終わりよ」と告げる。
加奈子は、鍋島刑事に「ご主人の元交際相手は、ご主人に酷いDVを受け、逆恨みでお姉さんを襲った…ご主人に消えてもらいたかったんですね」と告げられる。さらには、防犯カメラ映像を見せられ、追求を受ける。
直美は、2人分のスーツケースを駅前のロッカーに預け、李朱美(高畑淳子)の元へ駆け込む。「頼れるのは、李社長しかいないんです…加奈子が警察に連れて行かれました」と頼る。朱美は、「服部達郎の遺体、見つかったのですか?」と訊く。
「警察は、服部達郎の死体、すぐに見つけるでしょうね」と、朱美は諦めるよう言う。だが、直美は、自分たちの罪について打ち明ける。さらには、「加奈子は妊娠しているんです。…彼女は、夫に酷い暴力を受けていたんです。そんな彼女を救いたかった。お願いします。助けてください」と頭を下げる。
一方、加奈子は鍋島刑事から林竜輝についても追求を受ける。鍋島刑事は、林を達郎の替え玉にし、失踪したように見せかけたのではないか、指摘する。
陽子は興信所の三枝(前川泰之)とともに林のもとへとやってくる。陽子は、林に「あの2人は、人を殺したの。…あなたのやったことを警察に話してちょうだい。今、話してくれれば、警察には、あの2人に利用されただけだと証言してあげる」と条件を持ちかける。林は、直美からの着信を受けるが、出るべきか迷っていた。
鍋島は、さらに高速道路の監視カメラ映像を見せ、遺体を埋めに行った場所も推定できると明かす。「殺される前に、ご主人を殺害しようとしたんでしょ?…正直に話せば、共犯者の直美にも、情状酌量の余地がある」言う。
加奈子は、追い詰められるが、そこに弁護士が現れる。翌朝に連れてくることを条件に、加奈子は釈放される。その足で向かったホテルのラウンジで、加奈子は直美に再会する。弁護士は、朱美に紹介してもらったのだった。その場で弁護士は解任される。
朱美は、2人をもてなし、「女に暴力振るような男、殺してしまいないさいと私は言いました。自分を守るための行為、全て正当防衛。だけど、これも言いましたね。捕まらないようにしなさい、と。捕まっては、今までの人生よりマイナスになってしまう。それはダメね」と言う。
朱美は、上海行きのチケットと、自分の親友のいる場所の書いた紙を手渡す。「どうして、こんなによくしてくださるんですか?」と、泣いて感謝する加奈子に、朱美は「あなたたち、私の妹ね。家族を守る、当然のことね」と言う。
朱美が自分の店に戻ると、そこに陽子がやってくる。弁護士を手配したことから、陽子は、朱美が直美や加奈子を助けていると見ぬいていた。逃亡を幇助することも罪になる、店を手放すことになってしまいますよ、と陽子は朱美を脅す。
直美は、加奈子に林からの手紙を渡す。中国語で書かれたその手紙を、読むことはできなかったが、「感謝」「笑顔」「幸福」といった言葉でニュアンスは分かった。一方、林は警察署の前で、出頭すべきか迷っていた。
翌朝、直美と加奈子は空港へと向かう。だが、その場に陽子が現れ、2人は驚く。朱美は、「死体が出れば、あなたたちを必ず逮捕する」と言う。朱美から電話があり、陽子がやってきたことを告げられ、「あの女、手強い。何か見ぬいてるのかもしれない。手を打つ必要があるね」とアドバイスする。
三枝は、カーナビの走行履歴から、三国峠に遺体があると探り出し、警察に連絡する。警察は、遺体の位置を探りだす。
成田空港に着いた直美と加奈子の前に、陽子と三枝が現れる。自分たちの居場所がなぜ分かるのか、と不思議に思う。そこで、加奈子は自分の携帯電話に、見知らぬアプリがインストールされていると発見。そのアプリで三枝たちは居場所を探っていたのだった。
その場に現れた林は、朱美から渡された羽田空港からの上海行きチケットを手渡す。林は、加奈子の携帯電話を持ち、成田空港内を移動する。陽子たちは、林がおとりであることに気づき、羽田から出国すると考える。
陽子のもとに、鍋島刑事から「三国峠で遺体を発見した」と連絡が入る。悲しみと怒りに打ち震え、陽子は泣き叫ぶ。陽子は鍋島刑事に「2人は羽田から上海に逃亡しようとしている」と告げ、羽田空港に向かう。
加奈子は、羽田空港で直美に「ごめんね…直美の人生を壊してしまった」と謝罪する。だが、直美は「もし加奈子が殺されていたら、一生後悔していた。私たちがしたことは、やってはいけないことだって分かってる。その罪は一生背負っていく。でも、私は後悔していない。逃げよう、そして生きよう」と、一緒に出国しようと告げる。
2人は出国ゲートに向かう。その時、陽子は空港前にやってきていた。加奈子は無事にゲートを通過する。直美の番となる中、係員が席を立つ。どうやら、交代しただけのようだが、直美に緊張が走る。
電話が鳴り、係員は直美を一瞥する。直美はうつむくが、直美は無事に通過することができた。直美は、加奈子に近づき、安堵の溜息をつく。
案内掲示板で出国手続きが終了したのを見て、陽子は膝から崩れ落ちる。そんな中、陽子に鍋島刑事からの電話で、「逮捕状が出ました」と告げられる。警察官が空港内に詰めかける中、直美と加奈子は搭乗ゲートへと向かっていた。
パトカーのサイレンが鳴り響く中、陽子は振り向いて薄く笑った。
FOD(フジテレビオンデマンド)ならすぐに放送済みエピソードが観られます。
原作あらすじ:「ナオミとカナコ」あらすじ・ネタバレ