簡単なあらすじ
1) 敏腕女性記者のロウィーナ・プライス(ハル・ベリー)は、幼馴染のグレース・クレイトン(ニッキー・エイコックス)に、「広告業界の大物ハリソン・ヒル(ブルース・ウィリス)と不倫している。その不倫スキャンダルを記事にして欲しい」と依頼される。だが、間もなくしてグレースは失踪し、水死体となって発見される。
2) グレースの死に、ハリソンが関与しているのではないかと考えたロウィーナは、元同僚のマイルズ・ハーレイ(ジョヴァンニ・リビシ)とともに、ハリソンの会社に潜入して調査を始める。
3) ロウィーナが、ハリソンについて調査を始めると、ハリソンのクルマからグレースの毛髪や血液などが発見される。さらには、ハリソンがグレースの死因である毒物を手に入れることができ、グレースとチャットをしていたことが判明する。結果、ハリソンは逮捕されるのだった。
4) だが、マイルズはロウィーナがグレースを殺害し、ハリソンに罪をなすりつけたと考える。ロウィーナは、幼い頃に母とともに父親を殺害し、遺体を処理した。そのことを知ったグレースは、ロウィーナを言いなりにしてきたのだった。マイルズに犯人と名指しされたロウィーナは、彼を刺殺し、マイルズが襲ってきて正当防衛で殺したかのように偽装工作し、警察に「グレース殺害の犯人はマイルズだった」と電話するのだった。だが、別の人物が一部始終を見ていた。
ここがポイント
探偵役である敏腕女性記者のロウィーナ・プライス(ハル・ベリー)こそが犯人、というミステリー色の強いサスペンス映画。
調査の振りをして、罪を着せる相手(ハリソン・ヒル)に近づいて物証をターゲットのクルマに残すという、ハリソンにとっては迷惑極まりない展開。また、マイルズも一緒に調査を行っていたため、結局は「死人に口なし」の形で罪を着せられてしまうという結末(上手くいくかは不明だが)。
あまり後味はよろしくないが、どんでん返しとしては成功した作品ではないだろうか。
起:グレースの死
ロウィーナ・プライス(ハル・ベリー)は、敏腕女性記者だった。綿密な取材を重ね、保守的な共和党の上院議員スティーブン・サックスが、実は同性愛者であることを突き止める。だが、上層部に圧力がかかり、記事にすることができなかった。そのため、ロウィーナはその新聞社を辞める。
ロウィーナは、幼馴染のグレース・クレイトン(ニッキー・エイコックス)に会う。グレースは、広告業界の大物ハリソン・ヒル(ブルース・ウィリス)と関係を持っており、「不倫スキャンダルで記事を書いて欲しい」と依頼してくる。
ロウィーナは乗り気ではなかったが、しぶしぶ引き受ける。翌週、グレースは水死体で発見される。ロウィーナは、ハリソンがグレースの死に関与しているのではないかと考え、ハリソンについて調査を開始する。
承:潜入捜査
ロウィーナは、元同僚のマイルズ・ハーレイ(ジョヴァンニ・リビシ)に協力してもらいつつ、偽名でハリソンの会社に潜入する。秘書助手として働き、ハリソンには浮気グセがあり、妻・ミア(ポーラ・ミランダ)に監視されていることなどが明らかとなる。
グレースが記事にして欲しい、と渡した資料には、チャットのやりとりが残されていた。だが、そこにはハンドルネームしか書かれておらず、グレースが本当にハリソンと関係を持っていたのかは不明だった。
警察の捜査で、グレースは水死ではなく毒殺されており、なおかつ妊娠していたことが判明する。そのため、ロウィーナはハリソンがグレースを他殺した可能性が高いと考える。
転:ハリソン逮捕
ロウィーナは、マイルズの手を借りてチャット、そして秘書助手としてハリソンに近づいていく。さらに、マイルズの用意したウィルスをハリソンのPCに仕掛けようとするが、それによりハリソンに疑われてしまう。さらに、マイルズからのメールを読まれてしまい、結果、ロウィーナはライバル会社の産業スパイと思われ、解雇されてしまう。
そんな中、ロウィーナはマイルズの家で隠し部屋を発見し、そこでマイルズが自分の写真を隠し撮りしていることに気づく。そして、マイルズはグレースと関係を持っていた。
ロウィーナは、グレースがやりとりしていたチャットの相手をホテルに呼び出す。すると、そこに現れたのはハリソンだった。そして、警察の調べで、ハリソンのクルマにはグレースの血液や毛髪などが検出された。また、グレース毒殺のために用いられた薬物も、抽出できる植物が会社で栽培されていたのだった。これらの証拠により、ハリソンは逮捕されるのだった。
結:真相
マイルズはロウィーナがともに調査を開始する前、ハリソンについて調査を行っていたことに疑問を抱く。そこで、ロウィーナこそがグレースを殺害した犯人であり、グレースの頭髪や血液をハリソンのクルマに残すために近づいたのではないか、と推理する。
ロウィーナは、父親に性的虐待を受けており、母が止めようとして父親を殺害した。ロウィーナと母親は、父親の遺体を処理し、失踪に見せかけた。そのことを知ったグレースは、以来、ロウィーナを脅して言いなりにしていたのだった。
マイルズは、自分の推理をロウィーナに伝える。そして、「誰にも言わないから」と関係を迫ろうとする。すると、ロウィーナはマイルズを刺殺する。そして、争った形跡をその場に残し、さらにはマイルズの爪で、自らの首を傷つける。
警察に「ハリソンは犯人ではなく、マイルズが真犯人かもしれない」と伝えるのだった。ロウィーナは、警察を待っていた。だが、窓の外で別の人物が全てを見ていたのだった。