映画「そして父になる」あらすじ・ネタバレ・結末

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登場人物・キャスト

野々村家
野々宮良多(福山雅治):再開発プロジェクトを手掛けるエリート建築家。
野々宮みどり(尾野真千子):良多の妻。
野々宮慶多(二宮慶多):良多の一人息子。

斎木家
斎木雄大(リリー・フランキー):群馬の小さな電気屋を営む。
斎木ゆかり(真木よう子):雄大の妻。
斎木琉晴(黄升炫):雄大の長男。
斎木美結(滝沢美結):雄大の長女。
斎木大和(押場大和):雄大の二男。

宮崎祥子(中村ゆり):元看護師、「幸せそうな野々宮家に嫉妬した」ことから、病院の新生児室で野々宮家と斎木家の新生児を意図的に入れ替えた。

鈴本悟(田中哲司):良多の友人で弁護士。

あらすじ(ネタバレなし)

エリート建築家の野々宮良多(福山雅治)は、一人息子の慶多(二宮慶多)に期待をかけ、幼い内から習い事や英才教育を行っていた。だが、おっとりした性格の慶多に、良多は少し物足りなさを感じていた。

だが、慶多は私立の名門小学校に見事合格し、進学することとなる。そんな公私ともに順風満帆なはずの良多のもとへ、群馬県・前橋市の病院から電話で知らせが入る。

「重要なお知らせ」とだけ伝えられ、呼び出された良多と妻・みどり(尾野真千子)は、そこで「お子さんの取り違えが起こりました」と明かされるのだった。

取り違えが起きたもう一方の家族は斎木雄大(リリー・フランキー)・ゆかり(真木よう子)夫婦の家だった。長男・琉晴(黄升炫)の血液型の検査で親子関係が疑われ、調査の結果、取り違えが判明したのだった。みどりは取り違えの事実を知らされて茫然とし、良多は怒りを覚えてみどりにもその怒りをぶつけてしまう。

良多は、病院側を相手取っての裁判を起こすことにし、裁判で共闘することもあり、斎木家と話し合いの場を持つ。病院側は子供の交換を提案するが、そんな簡単にできる話ではなかった。

良多は、上司に「両方とも育てれば」と言われたこともあり、慶多、琉晴を両方とも引き取り、育てていくことはできないかと考え始める。

子供をそのまま育てるのか、それとも別の家族で育てていくのか、そうした結論を出す上で、慶多、琉晴をそれぞれ斎木家、野々宮で過ごさせることにする(血縁関係通りの家庭で過ごさせる)。取り違えについては伝えることはできないため、良多は慶多に「大人になるためのミッション」と言い、斎木家へと連れて行く。

慶多、琉晴も今までと異なる環境に当然、戸惑う。親子関係とは血縁か、絆か。2つの家族が突き付けられた問題に、良多たちが出した結論は…

あらすじ(ネタバレあり・結末まで)

良多は、琉晴を自宅に招きいれるのだが、琉晴はホームシックになって帰りたがった。そんな交流が行われる中で、ついに良多は「慶多、琉晴を引き取らせてほしい」と言い、その対価として金銭を支払うことを提案する。だが、その見下すような言動に、斎木雄大たちは怒り、反発する。

病院側との裁判が行われる中で、看護師の宮崎祥子(中村ゆり)によって意図的に取り違えが行われていたことが判明する。さらには、宮崎の犯行は時効をすでに迎えており、刑事罰には問えなかった。

裁判の結果、勝訴とはなるものの、良多は納得いかなかった。宮崎祥子に食ってかかろうとすると、彼女の子供が間に入って、母親を守ろうとする。実は、その子供は宮崎と血縁関係はなかったのだが、必死になって彼女を守り、良多はそれ以上問いただすことができなくなった。

良多は、血縁に固執して慶多と琉晴との交換を考えていた。血のつながりのない子供を愛せるのか、良多は疑問を口にするのだが、斎木ゆかりは「似ているかどうかで愛せるかどうかを判断するのは、子供とのつながりを実感できない男だけ」と一蹴する。良多の妻・みどりもまた、慶多と過ごした6年間を大切にしていた。

取り違えの裁判が報じられ、裁判を抱えているからと理由で、良多は望まぬ閑職に異動することになる。さらには、琉晴はなかなか自分になつかずに苛立つ。だが、異動先で親子関係の醸成には時間がかかることを悟った良多は、次第に琉晴の態度を変えるのだった。

次第に琉晴もなつくようになるのだが、それでも「パパとママのところに帰りたい」と言う。また、慶多の撮った良多、みどりの写真を見て、本当は自分たちから離れていきたくなどないと思っていることを悟る。慶多の思いを改めて感じ、良多たちは胸を締め付けられる思いになる。

慶多を迎えに行くと、慶多は良多のもとから逃げ出してしまう。「パパなんか、パパじゃない」と反発する慶多に、「できそこないだったけど、パパだったんだよ。もう、ミッションなんか終わりだ」と叫び、良多は慶多を抱きしめるのだった。

映画情報

2013年9月28日公開
脚本・監督:是枝裕和

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