ジーナ(ブレイク・ライヴリー)は全盲であり、夫ジェームズ(ジェイソン・クラーク)の助けを借りながら暮らしていた。ジェームズは、ジーナを献身的に支えること、必要とされることに喜びを感じていた。
そんな中、子供を産み、育てたいという希望からジーナは、角膜移植手術を受けることにする。手術は成功し、ジーナは片目の視力を回復することができたのだった。
ところが、視力を回復したことでジーナは、夫が想像していたような素敵な男性ではなかったことに落胆していた。さらには、自立して彼女は暮らせるようになり、ジェームズと仲睦まじい関係ではなくなってしまっていた。
ジェームズは、以前のような仲になるべく、バルセロナへ旅行しいようと誘う。そこは、新婚旅行で行った場所だった。ところが、ジェームズは以前に泊まったホテルと同じ部屋を予約したつもりであったが、ジーナは「あの時の部屋と違う」と言い出す。2人は口論となり、結果、ジーナの言っていたことが正しかったと判明するのだった。
さらには、ジーナが路上でチカンに遭い、義弟はその男を殴りつける一方、ジェームズが何もしなかったことに腹を立てる。ジェームズもまた、ジーナの心が次第に離れていくのを感じ、不信感を募らせていき、旅行によってもその溝を埋めることができなかった。帰国後、ジーナは幻覚を見るようになり、さらには視力も悪化しているようだった。
ジーナは、眼科を受診したところ、細菌感染していることが判明する。ジーナは、ジェームズが目薬に水を入れている可能性を疑っていた。ジーナは、医師に使っている目薬を渡し、検査してもらうよう依頼するのだった。
ジーナは、ジェームズに新しい家を購入してもらうよう頼み、その通りにした。だが、ジーナはプールで出会った魅力的な男性ダニエル(ウェス・チャサム)に恋をするのだった。ジーナはダニエルと性的関係をもち、結果、妊娠をする。
ジーナはジェームズに妊娠したことを伝えるのだが、実は彼は自分が不妊であることを知っていた。ジェームズは、ジーナの不貞に気付き、ジーナはジェームズが再び失明させようとしていることに気づいていた。彼らはついに心が離れ離れになってしまう。そんな中、飼い犬が盗まれる事件が発生する。
ジーナは、元のように目が見えないような様子になっていった。だが、彼女は目薬の件もあり、ジェームズに対し、一芝居を打っていたのだった。
お腹の子供は次第に大きくなり、ジーナとジェームズは新居で暮らす。その中で、ジェームズはジーナが本当に目が見えないのか試すようなことをするのだった。一方、ジーナは、匿名の手紙を手にする。そこには、ジェームズが犬を盗まれたかのように偽装したことが書かれていた。その手紙の主は、愛着があるので返したくないのだという。
ジェームズは、以前住んでいた家から、最後の荷物を運び出そうとしていた。そこで、バスルームに目薬が隠されており、そこでジーナが自分の目薬への細工を知っており、医師から別にもらった目薬を使用していたことを知るのだった。
ジェームズは泣きながら運転をして帰ろうとして、その途中、泣いていてよく見えなかったこともあり、トラックに追突して死亡してしまうのだった。ジーナは赤ん坊を産み、ジェームズのいない家で一人、赤ん坊の目を見つめるのだった。
解説
『かごの中の瞳』は、2016年公開の映画である。マーク・フォースター監督は、『007 慰めの報酬』『ワールド・ウォーZ』『プーと大人になった僕』などの作品を生み出したことで知られる。
献身的な介護を行っていると考えられたジェームズが、実は単なる独占欲の強い男で恐ろしい行為に出てしまう。さらには、視力を得たことで世界が広がり、人生を楽しみたいと考え、不貞にまで及んでしまうジーナ。
二人のすれ違い、深くなっていく溝が明確になっていく中、ジェームズは報いを受けるかのように事故死する。ジェームズがいなくなり、ジーナは子供とともに残され、何かを問いかけているかのような赤ん坊の目を彼女は見続けるのだった。