『世にも奇妙な物語』25周年記念(2015年)で、人気作品の視聴者投票が行われていました。その結果、「世にも奇妙な物語 人気作品トップ30」のように決まり、1位『イマキヨさん』、2位『ニートな彼とキュートな彼女』、3位『空想少女』…などのように決まっていました。
その30作品の中で、個人的にオススメな10作品をご紹介したいと思います。
昨日公園
中島美和(有村架純)は、東京の大学進学後、久しぶりの郷里に帰ってきた。そこで、親友の町田隆子(福田麻由子)に公園で出会う。その帰り、隆子は石段から足を踏み外して亡くなってしまう。
公園を訪れた美和は、再び隆子に出会って驚く。その公園にやってくると、時間が昨日に戻るのだった…
当たり作品が多い、いわゆる「ループもの」ですが、こちらも素晴らしい作品です。『世にも奇妙な物語』屈指の感動作品ですね。
懲役30日
男(三上博史)は7人を殺害した上に、武装強盗の罪で指名手配されていた凶悪犯であった。そんな彼は逮捕されるが、死刑が廃止されているため、終身刑になるかと思われたが、裁判官が下した判決は「懲役30日」であった。
なぜ凶悪犯が「懲役30日」という判決を下されたのか、その理由を途中で言い当てられた人はほとんどいないのではないでしょうか。予想外のオチが素晴らしい作品です。
美女缶
フリーターの内尾雄太(妻夫木聡)は、恋人・毛利春子(唯野木歩子)のアパートに居候していた。春子は出張に出かけ、雄太は1人で過ごしていた。
そんな中、隣人の冴えない男・冨岡冨士夫(小沢喬)が、何人もの美女とともに自宅から出てくるのを見かける。最初は「やるじゃん、オヤジ」などと思っていたが、その尋常ではない数の美女たちが部屋から出てきたのを見かけ、驚くのだった…
思わぬどんでん返しと、寂しさのあるオチが印象的です。ドラマ作品としても秀逸ですね。
雪山
飛行機が極寒の雪山に墜落する。生き残ったのは、カメラマン・結城拓郎(鈴木一真)、木原美佐(矢田亜希子)と友人の近藤麻里(中村麻美)、医師・真辺春臣(宝田明)、山内義明(大杉漣)の5名だった。
2) 4人は、足を負傷した麻里を山小屋まで運ぼうとするが、吹雪もあり、「ビバーク」と称して雪の中に埋める。だが、それは生き埋めにして見捨てるに等しい行為であり、美佐は罪悪感を感じ、助けに戻るのだが…
劇場版の『世にも奇妙な物語』ということもあり、冬山の極限状態の描写が秀逸です。ストーリーは謎を感じさせる部分もあり、繰り返し見られる作品となっています。
ロッカー
悟(織田裕二)は、研究所に夜間忍び込み、研究データを盗もうとしていた。作業中、研究者の佐口邦夫(段田安則)に発見されてしまい、揉みあいになる。悟は、坂口を突き飛ばし、頭を打った坂口は死亡してしまう。
警備員がやってきて、逃げ出すこともできずに仕方なく悟はロッカーに身を隠すのだが…
手も足も出ない状態での恐怖がテンポ良く描かれており、極上のサスペンス作品となっています。
23分間の奇跡
日本ではクーデターが起こり、憲法も変えられた。1人の指導者が率いるようになり、異を唱える者は「再教育」されるため、施設に送られてしまうのだという。日本の体制が変わる中、学校の教育制度にも変革が起きていた…
たった23分間もの間に、掌握されてしまう教室…子供たちに演技も卓越しており、見ている間に様々な感情を抱かされます。
時の女神
会社員の沢田修平(柳葉敏郎)は、妻を病気で亡くしてからも、ずっと彼女のことを想い続けていた。そんな彼は、自分でも信じがたい経験をしていた。修平は、妻と出会う以前、小学生の頃、そして大学生の頃に、大人になった妻の姿を見かけていた…
夫婦愛が美しく描かれており、これもまた『世にも奇妙な物語』屈指の感動作品です。
過去からの日記
小説家の山岡貴志(西島秀俊)は、デビュー作『あこがれ』から3年、新作を書くことができずにいた。そのため、肉体労働で汗を流す日々を過ごしていた。
そんな中、自分の本が他の本と一緒に古本屋でまとめ売りされているのを見かけ、買って帰るのだった。その本の束の中には、1冊の日記が入っており、「8月31日、今日も何もいいことがなかった」と書かれていた。
そこで山岡は、「俺も同じ」と書く。すると次に「俺って誰ですか? 勝手に人の日記にいたずらしないでください」と書き足されるのだった…
時空を超えた「交換日記」を題材としており、なんとも感動的な作品となっています。
13番目の客
会社経営者・本田謙一郎(草彅剛)は、議員の息子の結婚式に出席するため、式場を目指していた。その途中、髭を剃りたいと思い、理髪店に立ち寄る。
寂れた理髪店にも関わらず13人も理容師がおり、「この理髪店の理容師たちは、元はみんな客であった。新たな客が入ってくるたびに、その時点で最も古くからいる1人の理容師が店を立ち去る」のだと知らされる…
オチがあっさりと終わらず、「そうくるか…」と思わず唸ってしまう作品です。後味が悪いからこそ、それが良いと感じます。
思い出を売る男
古川三博(木梨憲武)は、会社に営業職で勤務していたが、早期退職を勧告され、職を失ってしまう。その後、再就職がなかなかできず、荒れた生活の中で妻は出て行ってしまった。
借金取りに追われる中、古川は「記憶を買う」という研究所があると偶然知る。その研究所で、古川は次々に記憶を売る…
思い出を売るという発想がまず秀逸ですね。そして思い出を売り続ける古川の行く末に、何が待ち受けているのか…