真珠養殖詐欺で、被害者の男性を騙しては殺害していた遠峰小夜子(西田尚美)死刑囚が、雑誌の内容が事実無根だと名誉毀損で提訴した。訴えられた出版元の弁護士・連城が、杉下に助けを求める。
遠峰は和解にも応じず、優秀な刑事に事実確認を求めたのだという。そこで連城弁護士は、杉下に依頼を行ったのだという。
遠峰に話を聴くと、彼女は雑誌の内容について、掲載された国の土地ではなく、実際はシンガポールであると指摘する。その内容を証明できる人物がおり、その人はバイオラボで研究を行う谷岡博士であるという。だが、その谷岡は浴室で亡くなっており、自然死として処理されていた。
遠峰は谷岡のことについて、「シンガポールでブラックパールのネックレスを買っていた。誰にプレゼントされていたのかしらね」などと思わせぶりな言動を繰り返す。
杉下は、冠城とともに調査を開始する。妻はもちろん、不倫を疑った秘書にもブラックパールのネックレスは渡ってはおらず、杉下たちは調査を続ける。
そんな中、バイオ研究を行う研究者は薄給であり、海外へと優秀な人材が流れている現状を知る。そして、シンガポールの研究室で、人事担当の女性がブラックパールのネックレスをしている写真がホームページに掲載されていることに杉下は気づく。
谷岡は、シンガポールの研究室に渡ることを考えていた。ところがかなりの激戦であり、人事担当者に谷岡は賄賂を渡したのだった。
だが、谷岡が高価なネックレスを誰かのために買っていることをレシートで知った谷岡の妻は不倫を疑い、「そんな高価なもの、私も買ってもらったことがない」と激怒した。
谷岡の妻は浴室の天井にドライアイスを忍ばせ、夫を二酸化炭素中毒で意識障害の状態に陥らせ、溺死させた。
杉下は谷岡の妻にその推理を突きつけ、自供させるのだった。
遠峰は、シンガポールへ行く飛行機で谷岡の姿を見かけていた。彼女は一度見た顔は忘れないという特殊な能力があった。だからこそ、何人もの中年男性を手玉に取ることができたのだった。その彼女は、谷岡の死を雑誌で知り、事件の真相に気づいたのだった。
杉下は、なぜ遠回しな方法で警察に伝えたのか、と疑問を口にすると、遠峰は「なんで大嫌いな警察に答えを教えてやらなきゃならないの」と言うのだった。
杉下は、遠峰に近づくのは危険だと、冠城に近づかないように、と忠告する。