「ウィルス」前半部分(ネタバレなし)
イズミ(広末涼子)は、海外留学から帰国する飛行機に乗っていた。着陸した後、子供からビデオカメラを向けられ、「何か喋って」と言われたため、話しだそうとしたその瞬間、女性の悲鳴が聞こえる。
その直後、防護服を着た人々が機内に入ってきて、煙が充満したと思ったらイズミはその場で眠ってしまう。
目を覚ますと、そこは隔離された病室のようだった。窓もなく、扉も開かない。「ここから出たいんですけど!」と大声を出しても、返事はなかった。
自分のバッグが置かれており、そこには「検疫済」のシールが貼られていた。また、中には子供のビデオカメラが間違って入れられていた。
防護服の人たちが現れ、イズミは注射を打たれて再び眠ってしまう。混濁した意識の中、防護服を着た一人が急に苦しみ出す姿をイズミは目撃する。
再び目をさますと、イズミは隔離部屋のベッドの上だった。採血された後があり、「私に何をしたのよ!」と彼女は苛立つ。
イズミは、ふと思い立ったように、子供が持っていたビデオカメラを再生する。
帰国すると、防護服姿の人々に閉じ込められてしまいます。その恐怖の中、イズミにはある恐ろしい考えが浮かびます。
「ウィルス」後半部分(ネタバレあり、結末まで)
ビデオカメラの映像には、防護服の人々が機内に現れてからの様子が映されていた。その中で、「レベル4」「ウィルス」という単語が聞き取れ、イズミは自分がなんらかのウィルスに感染している恐れがあり、隔離されているのではと考え始める。
恐怖の中、イズミは自分の体に発疹ができる夢を見る。再び防護服を着た人々が現れ、錠剤を渡される。「それを飲ませて殺すの?…レベル4だもんね」とイズミは言う。
防護服の2人が部屋を出ようとしたところ、イズミはその隙を狙って外に出ようと試みる。だが、阻止されて部屋に再び戻される。
イズミは、そこから脱出するために動きだす。火災報知器を鳴らして扉を開けさせ、イズミはベッドのパイプで防護服の人たちを殴る。部屋を飛び出し、その先にある部屋に彼女は飛び込む。
するとそこには、「LEVEL4 対人用殺人ウイルス感染物」と書かれたシールの貼られた遺体バッグがあった。その亡くなった男性は、皮膚に発疹が現れていた。
防護服を着た人が現れ、イズミは「やっぱり…」とつぶやき、再び逃亡を試みる。再びパイプで殴りつけると、その防護服のマスク部分が外れ、その下からは皮疹のできた男性の顔が現れた。
防護服の男は、「君たちの飛行機がアメリカを発った後、世界はテロによってウィルスによって汚染された。だから。我々は、少しでも感染していない人たちを救おうと、君たちを隔離していたんだ」と明かす。
直後、防護服の男は絶命する。「そんな…」とつぶやいたイズミは、自分の腕に皮疹が現れていることに気づく。
タモリさんは冒頭の部分で、「ルビンの壺」の説明を行っています。まるでその絵のように、見事に最後に反転したオチとなっています。
「ウィルス」制作情報
・原作:渡辺浩弐 (『2000年のゲーム・キッズ』)
・脚本:高山直也
・演出:佐藤祐市