登場人物
カッコ内はドラマ版キャスト
深瀬和久(藤原竜也):ニシダ事務機器株式会社の営業マン
越智美穂子(戸田恵梨香):深瀬の恋人
広沢由樹(小池徹平):深瀬の大学時代の友人。大学時代に交通事故死している。
浅見康介(玉森裕太):深瀬の大学時代の同級生
村井隆明(三浦貴大):深瀬の大学時代の同級生
谷原康生(市原隼人):深瀬の大学時代の同級生
広沢忠司(志賀廣太郎):広沢由樹の父
広沢昌子(片平なぎさ):広沢由樹の母
乾圭介(バッファロー吾郎A):コーヒー専門店「クローバーコーヒー」の店主
乾恭子(YOU):圭介の妻
森下泉(藤本泉):浅見の同僚。
ドラマ版オリジナル登場人物
谷原明日香(門脇麦):谷原の妻
小笠原俊雄(武田鉄矢):谷原の事故を調べ続けるジャーナリスト。
村井佳織(趣里):村井の妻
沼淵ことは(篠原ゆき子):村井の不倫相手
村井明正(村井國夫):村井の父、県議会議員。
甲野伸之(山崎銀之丞):村井明正の秘書
藤崎莉子(山口まゆ):浅見の生徒。
相良了平(鈴木仁):浅見の生徒。
簡単なあらすじ
1) ニシダ事務機器株式会社の営業マン・深瀬和久は、恋人・越智美穂子に「こんな手紙が届いた」と言って、その手紙を渡す。そこには、「深瀬和久は人殺しだ」と書かれていた。深瀬は、その手紙で大学時代にあった一件を美穂子に懺悔する。
2) 大学時代、同じゼミ生仲間の村井隆明、浅見康介、谷原康生、広沢由樹、深瀬は、斑丘高原に行くことになった。村井は当初、行くことができなかったのだが、夜になって急遽参加することができた。村井は、「駅まで迎えにきてくれ」と言い、広沢が迎えに行くことになった。だが、広沢は飲酒しており、他の3名も止めなかった。結果、嵐の中ということもあり、広沢は崖下に落下して事故死したのだった。
3) 深瀬たちは、広沢の死について、「飲酒していた」という事実を隠蔽していた。にも関わらず、村井たちのもとにも同様に「○○は人殺しだ」という手紙が届けられていた。さらに、谷原は命を取り留めたものの、駅のホームから突き落とされたことが判明する。このこともあり、深瀬は脅迫状めいた手紙を送った犯人を探し始める。
4) 手紙を送り、谷原をホームから落としたのは、深瀬の恋人・美穂子だった。美穂子は、広沢と高校時代から交際していた。広沢の死後、彼のことを聞き出すため、深瀬や谷原らに近づいたのだった。だが、何事も無かったのように過ごしていることを腹立たしく思い、美穂子は深瀬たちに脅迫状めいた手紙を送りつけた。結果、飲酒運転についての事実を知ることとなったのだった。そして、広沢の事故のことがあったにも関わらず、谷原はなおも飲酒運転をしようとしたため、怒りを覚えた美穂子は、つい駅のホームから突き落としてしまったのだった。
5) 後に、深瀬は、美穂子から広沢が「蕎麦アレルギー」であることを聞かされる。さらには、「蕎麦のハチミツ」というものがあることを知った深瀬は、広沢が死んだ直前のことを思い出す。
6) 深瀬は、広沢に酔い覚ましのため、コーヒーを淹れて用意した。そして、砂糖の代わりに、蜂蜜を使った。それこそが蕎麦のハチミツであったのだった。広沢が蕎麦アレルギーであるとも知らず、深瀬はコーヒーを用意し、運転中に飲んだ広沢はアレルギーを起こし、運転を誤って事故死したのだった。深瀬はそこで、「広沢を殺したのは、俺だったのか」と気づくのだった。
起:手紙
ニシダ事務機器株式会社の営業マン・深瀬和久は、学校や会社に事務機器や文具を卸していた。そんな彼は、コーヒーを淹れることが趣味であり、コーヒー専門店である「クローバー・コーヒー」に通っていた。
そんなある日、深瀬は越智美穂子という女性とクローバー・コーヒーで出会う。店主の妻・乾恭子のアシストにより、深瀬は彼女を映画に誘い、デートを重ねて深瀬は美穂子と交際するようになる。
いつものようにクローバー・コーヒーで待ち合わせしようとしたが、美穂子は現れなかった。深瀬に、美穂子は勤め先であるパン屋「グリムパン」に手紙が届いたのだという。その手紙には、「深瀬和久は人殺しだ」と書かれていたのだという。
美穂子は、「世間に顔向けできないことをしたの?」と問いただす。すると深瀬は、思い当たる大学時代の一件について話を始める。
承:懺悔
大学時代、深瀬は明教大学の山本ゼミに所属していた。そのゼミ生たちで斑丘高原へと旅行に行くことになり、深瀬も参加することとなった。参加者は広沢由樹、浅見康介、谷原康生、村井隆明、そして深瀬だった。
村井の叔父が所有する別荘に、5人は宿泊する予定であった。だが、村井が参加できなくなってしまったため、4人で別荘へ向かう。
その晩、嵐となった。だが、村井が急遽参加することになり、駅から「迎えにきて欲しい」と電話をかけてくる。飲酒していたこともあり、谷原は「タクシーで来ればいい」と言うのだが、タクシーが駅に見当たらなかったこともあり、誰かが迎えに行かなくてはならなかった。
そこで、広沢が自ら「迎えに行く」と言う。広沢も飲酒しており、深瀬も止めるべきではないか、と思っていたが、言い出せなかった。深瀬は、眠気覚ましに、広沢と一緒に飲んだことのある「ハチミツ入りコーヒー」を渡す。
1時間経っても、広沢は駅に辿り着いていないことが判明する。結果、広沢は事故を起こして崖下に転落していたのだった。この事故により、広沢は事故死した。
広沢の焼死体からアルコールが検出されなかったため、深瀬たちは警察や広沢の両親に、広沢が飲酒していた事実は伏せていた。嵐の中での運転での不幸な事故、として広沢の死は処理された。
転:調査
深瀬は、美穂子に広沢の死について話を行う。それから、美穂子は深瀬の前から姿を消していた。一方、浅見や村井、谷原らのもとにも、「浅見康介は人殺しだ」「谷原康生は人殺しだ」「村井隆明は人殺しだ」といった手紙が送られていたことが明らかになった。
深瀬は、村井や浅見たちから脅迫状めいた手紙について話を聞く。さらには、谷原が「駅のホームから突き落とされた」という事実が判明し、深瀬は「俺がこの件を調べる」と言い出す。
まず、深瀬は広沢の両親を疑い、そして広沢の過去を知るため、愛媛県へと向かう。だが、両親に実際に会うと、彼らは手紙のことを知らない様子であり、犯人ではない、と考える。その後、同級生に「追悼文集を作る」という名目で、話を聞いて回る。
そんな中、深瀬は広沢の高校時代の同級生・古川大志と会い、広沢には生前に彼女がいて、その彼女は高校の同級生であったことが判明する。
さらに、深瀬は谷原の所属する野球チームの池谷博之に話を聞きに行く。谷原がホームに突き落とされた日、彼はマネージャーの女性と帰ったのだという。深瀬は、その女性マネージャーが付き落とした犯人と推理した。
深瀬は、「この卒業アルバムの中にいますか?」と、池谷に広沢の卒業アルバムを見せる。すると、その女性マネージャーは、美穂子のことだと判明するのだった。
結:犯人
深瀬は、コーヒー専門店「クローバー・コーヒー」で、美穂子と久しぶりに再会する。美穂子は、深瀬や谷原たちに接触し、広沢について話を引き出そうとしていたのだった。
だが、その中で広沢のことをすっかり忘れ、何事もなく生活していることに美穂子は腹立たしさを感じるようになった。そこで、「○○は人殺しだ」などという脅迫状めいた手紙を送りつけ、思い出させようとしていたのだった。
谷原は、広沢が飲酒運転で死亡していたにも関わらず、飲み会帰りに飲酒運転をして帰宅しようとした。そのことや、飲酒運転に罪の意識を感じない言動を行った谷原に、美穂子は怒りを覚え、つい谷原をホームから突き落としてしまったのだった。
深瀬は、そこから美穂子とともに広沢のことを思い出す。調査を行う中で、深瀬は「広沢由樹はカレー好きだ」「広沢由樹はカモミールティーが苦手」といった短文を書き記していた。そこで美穂子も、「広沢由樹は蕎麦が食べられない」と書く。広沢は、蕎麦アレルギーがあったのだった。
「クローバー・コーヒー」のマスターは、コーヒーを淹れ、砂糖代わりに数種類のハチミツを用意していた。その中には、濃い色のハチミツがあり、それは蕎麦のハチミツであるという。そのハチミツを見て、深瀬は広沢の事故死直前のことを思い出す。
深瀬は、広沢のために淹れたコーヒーに、蕎麦のハチミツを入れていたのだった。広沢が蕎麦アレルギーだとも知らずに。結果、広沢は運転中に蕎麦のハチミツ入りコーヒーを飲み、運転中にアレルギーを起こしたのだった。
深瀬は、「広沢を殺したのは、俺だったのか」と気づくのだった。